WASHIZUKA GLASS STUDIO | cupこんな「ふつう」が欲しかった

一見ふつうな感じがするのに、妙に良いなあと思える。無意識に手に取りたくなるような、不思議な愛おしさがある。そんな、ガラス作家、鷲塚貴紀さんがつくる《cup》。吹きガラスでひとつひとつ製作されている、ハンドメイドのグラスです。

これぞコップ、という形の《cup》ですが、こんなにシンプルなのに醸す雰囲気、佇まいは独特で、見るたびきれいだなと思う特別な魅力があります。ハンドメイドならではの手の跡の残る仕上がりは、ガラスなのにどこかあたたかみがあって、まるでずっと前から使っているような、そんな手馴染みの良さも感じます。

吹きガラスで製作される、〈WASHIZUKA GLASS STUDIO〉のグラス。できあがったグラスの随所に、その手仕事の跡を見つけることができます。側面をよく見ると、成形時の道具の擦れ跡と思われる模様がうっすらと残っていたり、底面には製造過程でできるポンテ跡といわれるものがあったり。平滑に見えるガラスの表面も、なでてみるとわずかに起伏があります。
ハンドメイドだからこその、ゆらぎや不均一さ。一見ふつうに見えるのになにか惹かれるのは、そういったところにも理由の一端があるのかもしれません。

カラーはクリアとチャコールの2種類。クリアは無色透明ですが、底面だけほんのりと黄色がかっていて、これは底を炎で焼成しているからなのだそう。
チャコールは少しあたたかみも感じるようなグレー。色合いもすごく良いのですが、色の濃さが絶妙で、これ以上濃くても薄くても違うんじゃないかと思う、個人的にとても好きな濃さです。
また、チャコールはグラスの口元、フチ部分にマットガラスが施してあり、黒いラインが入ったような仕上がりになっています。

クリアの焼成されて黄色がかった底面。チャコールの口元に施されたマットガラス。どちらも、言われなければすぐには気付かないくらいの繊細なあしらい。あくまでシンプル、生活に溶け込むふつうのコップでありつつ、手仕事の跡もそうですが、細部に独自のものがある。そのバランスがすごく好きです。

サイズはショート、ロングの2種類。一個体の実測で、ショートは約250ml、ロングは約300mlくらいの容量でした。どちらも満水時の容量です。ただし形に個体差があるので、ざっくりそれくらいとさせてください。

ショートはお茶やジュースはもちろん、ロックグラス的にウイスキーや梅酒などを楽しむのにも。そのほか、蕎麦猪口にもなったり、アイスやフルーツなどデザートの器としても使えるサイズ感です。

ロングは縦長で手に持ちやすく、容量がショートよりも少し大きいので、アイスコーヒーやアイスティー、冷茶など、氷を入れたい時によりおすすめかなと思います。

暮らしに馴染む、いい意味で平凡なものでありつつ、これじゃなきゃ、と思える魅力もある。〈WASHIZUKA GLASS STUDIO〉の《cup》はそんな、ずっと欲しかった「ふつう」。耐熱性能等はありませんが、もし良いなと思ったら、きっと後悔はしませんのでぜひ。

パッケージ

仕様

WASHIZUKA GLASS STUDIO

富山県にて制作活動を行う、ガラス作家・鷲塚貴紀さんによるブランド。吹きガラスでひとつひとつ作られているハンドメイドのグラスウェアは、洗練された雰囲気の中にもどこか素朴さを感じる、不思議な魅力があります。

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